1日遅れの更新です。お待たせしました。
前編で書いたミネストローネに押し麦を入れるのは、料理研究家の辰巳芳子さんのレシピです。
その事を知るまでは、私もごく一般的なマカロニを入れていました。押し麦を入れてみると、トロミといい、押し麦がスープを吸ってもっちりと大変美味でした。娘がミネストローネに目が無くなったのは、押し麦に変えてからの様な気がします笑
押し麦は米の17倍もの食物繊維を含み、合理的なものの考え方で料理をなさる辰巳先生ならではと思っております。
名文家としても知られる辰巳先生の御本は読んでいても、情景が浮かんでくる様で、気がつくと時間が経っている事がよくあります。
もっとも私が初めて辰巳先生の書物を手にしたのは、御母様の料理家の辰巳浜子さんの「料理歳時記」中公文庫という文庫本でした。
薬科大学の3年生でした。当然仕事をもって将来自立したいと考えていた当時の私は、一気にこの文庫を読んで、台所仕事の奥深さ、食卓を整える事から始まる生活の豊かさに、仕事との両立は到底無理と戸惑いました。
それでも私は、仕事をして自立する道を選びました。
浜子先生の「料理歳時記」は紙がもう黄色く変色していますが、手元に置いて素材に向き合う時「そうそう、そうだった。」と記憶があやふやになった時読み返す事が今もあります。
芳子先生の「手の味こころの味」海竜社は、こころを豊かに膨らませたい時、その折々に気に入った箇所を読み返します。「蒸らし炒め」という用語?も私はこの書物で知って、実践する様になりました。
つづく