大根干し その2

お待たせしました。日本各地で本格的に冬が始まりましたね。

こうして軒先に吊るされた大根は1日また1日と水分が抜けて行きます。

前回の「日々の暮らし 雨蛙」のところでも出てきた山の向こうの大きな湖、その山の方角からここはいい風が吹きます。

いい風と言ってもそよそよした風ではありません。この風はかなり強く、昔ここに住み始めた頃軒先に新年を寿ぐ縁起物を吊り下げても吊り下げても吹き飛ばされて地面に落ちているのを見つけた苦い思い出があります。

でも干物にはこの風が良いのです。

我が家は幸い本当に陽当たりも良く、この風と陽の光が美味しい干し大根を作ってくれます。通りかかる度にそっと大根を掴んでみます。いい具合に弾力が出て来ています。

雨が掛かってそのままにしておいてぐっと冷えると大根が凍ってしまいます。雨の気配に気を配るのも大事な事です。連れ合いは大根に掛けるカバーを作って小まめに掛けたりたり外したり大根の面倒を見てくれています笑

干し大根の両端をグイッと曲げてくっつく様になるまでしっかり干して、自家製の糠とザラメ、鷹の爪、昆布、塩そして大根と一緒に軒先で干し上げた、蜜柑の皮、柿の皮、りんごの皮をよく混ぜて、漬け込みます。

毎年上手く水が上がるかドキドキしながら漬けてから40日、重石を外して大根の干した葉の蓋の下でしっかり上がった水に漬かって沢庵になっているのを見た時の嬉しさと言ったらありません。

保存食が上手く出来た時の嬉しさは手間がかかる分豊かなものです。