患者さんのこと その8 第一話

一日遅れの更新です。お待たせしました。

去年の3月初めていらした患者さんです。

年齢は74歳、男性です。主な訴えは、眠れないということで、副訴は、ここ1ヶ月下痢と便秘を繰り返しているという事でした。

コロナ禍は、入眠相談のご相談が多かったようにおもいます。 やはり出口の見えない、終わりの見えない不安、そこに経済の不安が重なったものと思っています。

この方は、40代に経営されていた食品関係の会社の倒産を経験され、その後始末の目処がほぼ立ったところで来たと仰いました。

ということは、この30年負った負債の返済に東奔西走されたのでしょう。途中で癌で奥様もなくされ、さぞかし、色々本当に大変でらしたと思います。

70代の男性で家事が自立している方は稀だと思います。特に食事に一番苦労されているとおもいます。

お伺いしてみると、朝も昼も夕も近くのコンビニが頼りとの事でした。近所のおばちゃん達は、玄関先に野菜を持ってきてくれるそうですが、それを調理して食卓に載せる事がどれほどハードルが高い事か。ほぼ投げてる(捨ててる)と笑っておいででした。    

つづく