統合失調症の当時30代後半の女性の患者さんです。漢方を服用されて今年で4年目になります。御相談を受けた時点で発症から20年が経っていました。地元の精神科科の病院で5種類の薬剤の投与を受けておられます。
初めに御本人からあった電話では、目がボヤッとするという御相談でした。漠然としていたのですが、兎に角一度来て頂くようご予約して頂きました。当日、患者さんからは見え難い場所に私が書き物をする場所があるのですが、車が着いて降りて来られる時のご様子を見ていると、本当に独特のご様子で、電話での訴えは目でしたが、精神疾患の患者さんだと思いました。
詳しく伺っていくうちに、病名の事もお話しがありました。この目のボヤッとするという症状は、ディサービスでバレーボールをするときに、ボールを追っていて、視線がボールの動きに合わなくなると息苦しくなるというものでした。
こころの患者さんは、午前中が具合が悪くなるタイプの方と、夕方が具合が悪くなるタイプの方がおられる様に思います。彼女は夕方になると大変状態が悪くなるタイプでした。5種類処方されているうちの、抗不安薬と抗精神薬のそれぞれ1種類は、その調子が極端に悪くなる夕方にも頓服で服用するよう主治医から指示が出ていました。頓服も服用するととても便秘がひどくなって辛いと仰っていました。
当日お母様も一緒にいらして下さったのですが、多くを話されない彼女に代わりお母様にお聞きする事も多かったです。15年前から月経がない事、いっときは、冷えが強かったこと、コーラが好きで2日に1回は250cc位飲む事などをお聞きしました。
漢方薬を服用されて、10日後、御本人からお電話があり、「目がまだです。でも落ち着いています。」とのことでした。目はまだそんなに直ぐには変わらないと思うけれど、体力、元々の生命エネルギーを膨らまそうとしているから、病院の薬と一緒に漢方薬をしっかり飲んでねと申し上げました。
お母様が電話に変わってでられて、夕方の頓服が全くいらなくなり、とても驚いていると仰いました。
つづく