ここ数年、ずっと気になっている事があります。
それは、最近大きな商業施設でも、医療機関でも、公共交通機関でも、路上でも、さっきまでベビーベットで寝ていた赤ちゃんを、そのまま連れてきました状態で抱っこされている方が本当に多い事です。
強い陽射しの下、お母さんは帽子、日焼け防止のアームカバーをして歩いておられても、抱っこされている赤ちゃんは帽子も被らず、あんよとおててはむき出しで、すれ違う私が傷ましい気持ちになります。
冷房がギンギンに利いた商業施設、医療機関、公共交通機関の中で、冷房に弱い私は首に薄いストール、冷房調節の為に一枚着脱しやすい薄物を羽織っています。見ればまだ自分で歩けない位の赤ちゃんが、おつむ、おてて、あんよむき出しで抱かれています。
お包み(おくるみ)という単語はもはや死語になってしまったのでしょうか。
先日ラジオ番組で、この私の長年のモヤモヤを科学的に解決してくれる書籍が紹介されて早速書店で購入(はい!私は街中から本屋さんが消えてしまうのがどうしてもイヤで、本当に微力ですが、欲しい本は近所の本屋さんに注文しています笑)しました。
「確かめてナットク!物理の法則」岩波ジュニア新書の46話 赤ちゃんに寒さは禁物という項目で、表面積と体積の比率の話で、縦横高さが2倍になると面積は4倍、体積は縦横高さを掛けるので8倍になることになります。
これを人間に当てはめると、身体のそれぞれのパーツが2倍になると仮定すると、表面積は4倍、体積つまり体重は8倍です。大人は、表面積に比べて体積が大きくなります。
逆に赤ちゃんは体積体重に比べて表面積が大きくなっています。冷却効果は表面積の大きさで決まるという法則があるので、赤ちゃんは大人より体温が下がりやすいと言えます。汗腺が未発達の赤ちゃんにとっては、汗をかいて体温を下げることがしにくいので、熱が中にこもってしまわない様になっているとも言えると思います。
ただしからだから発生する熱量は体積で決まるので、表面積に比べて体積の小さい赤ちゃんは、熱を下げる事は出来ても、上げる事は難しいという事です。
自分の手足を守りたい程の強い紫外線から赤ちゃんの皮膚を守る為に、路上を歩くときは、おつむには柔らかい素材のつばのある帽子を、からだの上には紫外線から守る為にも、薄手の大判のストールでも、柔らかい大判のガーゼのタオルでもをいつもバックに入れて欲しい。ふわっと掛ければ、風は抜けて涼しいのに強い陽射しからは守れます。
同じ物が、キンキンに冷え切った商業施設、医療機関、公共交通機関の中では赤ちゃんのおつむ、手足、からだの体温低下を防いでくれます。心の底からのお願いです。体温が下がり過ぎると、免疫力も下がります。
「大事な赤ちゃんは包んで、覗き込まないと見れない位がちょうど良い」
昔の事を言うと反発を買うかも知れませんが、以前は兎に角赤ちゃんというのはくるまれていて、むき出しで抱かれている事は稀でした。昔の親は理屈でなく経験値でそうしてくるんで育てたのでしょうね。
帽子はセーター一枚着ているのに等しいとか。可愛らしい帽子を被せて貰った赤ちゃんが1人でも増えますように。