赤ちゃんの話でもう一つ。
以前地区の医学会の講演会で、東京の愛育病院の皮膚科部長でらっしゃいましたか、赤ちゃんの皮膚についてのお話を伺う機会がありました。子育て中の私はまだ3つか4つだった子どもの手を引いて出かけました。
アトピーの御相談を受ける事もあり、子連れでもどうしてもその講演は聴きたかったのです。会場で薬剤師は恐らく私ひとり、子連れは私だけでした。
その皮膚科医のお話で私が本当によく覚えているのが、哺乳類の子どもというのは、産まれ落ちて直ぐによろけながらも自分の脚で立ち上がって、母親の乳房を探して自分からお乳を飲む、自分で立ち上がって食事を摂れる様になるのに、産まれ落ちてまだ約一年は掛かるのは人間だけだと。
そこからいくと、本来なら人間の子どもは十月十日で産まれるのではなく、もう一年母親の胎内にいて然るべきで、それがもう一年待たずに産まれてきてしまうのは、胎児の頭の大きさがそれ以上胎内に留まると産道を通らなくなるからに過ぎないので、産まれて一年の乳児はまだ胎児と同じ、子どもの皮膚は丈夫だと考え違いをしているひとが多いが、保湿に努めなければならないというお話でした。
そしてたったひとり幼児で会場にいた我が子を手招きされて、会場にいらした医師会の先生方の前で保湿剤の塗り方を実演して見せて下さいました。
この時の話を思い出す度に、赤ちゃんの皮膚をキレイにしようと毎日赤ちゃん石鹸や赤ちゃん用泡ソープ等で洗って、反(かえ)って乾燥させて炎症を起こさせてしまっている方が多いという事です。
赤ちゃんはまだ所謂仕事はしていません。寝て、ミルク・オッパイを飲んで、ウンチオシッコをして、泣くのが仕事といえば仕事です笑
石鹸類を使って毎日洗い立てる必要はないのです。皮脂というのは天然の保湿剤、殺菌剤です。沐浴の度に石鹸類を使ってまだまだ分泌の少ない皮脂を落としたのでは、カサカサになり、自分の汗にも負けて赤くなろうってもんです。
沐浴の時に柔らかいガーゼ等でオツムやお顔、首のくびれ、お尻、お股を優しくぬぐうように洗って、石鹸等を使うのはお尻お股をメインに1日おきでも多いくらい、つけるにしても、石鹸等は少しにしておきましょう。
石鹸等を使った日は、入浴後は保湿をしましょう。肌に合った物を適量体全体に塗ってあげましょう。
スクワランは、人体で生合成されるスクアレンに水素を添加して酸化しにくくした物なので、適量で有れば比較的安心でしょう。また同じ理由で、このスクアレンはオリーブオイルにも含まれているので、オリーブオイルも安全かと思われますが、古くなった物は酸化しているので注意が必要ですね。容量の小さい物で回転をよくすれば安心でしょうか。