ドラマ  その2

山田太一さんの脚本ですから、本当に日常の暮らしが丁寧に描かれています。

商店街で独り者の主人公の鶴田浩二が買い物をする様子が何回も描かれますが、何を買っても茶色の筒型の大きめの紙袋に入れられて、抱えて帰ります。

私にはこの当時は普通であったろうこの場面が強く印象に残って、これが一体いつから味気ない白いレジ袋に変わったのだったか、思い出そうとしましたが、思い出せません。

また家を飛び出して自殺をしようとした若い女性の桃井かおりが住んでいるアパートも、お金もなく追い詰められて自殺まで考える若い子ならこんなところにしか住めなくて当然という、本当にリアルなセットでした。

日本は1986年から所謂バブル期に突入して、トレンディドラマと後に言われるようになったドラマが主流になります。若い一人暮らしの女性が嘘だろう!というような部屋に住んで、記念日毎に彼とこれまた嘘だろう!というようなレストランで食事をしたり、ブランド物を普通に持っていたり、彼から送られたり。

地味な薬学生だった私は、あまりにも絵空事のドラマの連発に、1980年代後半から1990年前半のドラマは、どれも見ていません。題名は当時賑々しく紙面を飾っていたので知っていますが。     

今日はこの辺で。